遺伝子編集ベビーの研究者に懲役3年 中国

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ゲノム編集技術を使い子どもを誕生させたとして、賀建奎被告に対して懲役3年と罰金300万元の判決が言い渡された/ANTHONY WALLACE/AFP/Getty Images

ゲノム編集技術を使い子どもを誕生させたとして、賀建奎被告に対して懲役3年と罰金300万元の判決が言い渡された/ANTHONY WALLACE/AFP/Getty Images

(CNN) 中国広東省深セン市の南山区人民法院は30日、遺伝子編集した赤ちゃんを世界で初めて誕生させた元南方科技大准教授の賀建奎被告に懲役3年、罰金300万元(約4700万円)を言い渡した。国営新華社通信が伝えた。

賀被告は昨年、DNA改変によってエイズウイルス(HIV)への耐性を持たせた双子の女児が誕生したと発表し、世界に衝撃を与えた。実験には「CRISPR―Cas9(クリスパー・キャス・ナイン)」と呼ばれる遺伝子編集技術を使用していた。

賀被告は当時、この成果を誇りに思うと表明。その後、研究の一環で別の女性が妊娠したことも明らかにした。

しかし関係者の多くからは非難の声が上がり、問題の実験について「怪物的」かつ「非倫理的」であり、中国の生医学研究の評判にとって「大きな打撃になる」との指摘が出ていた。

裁判所によると、賀被告は16年、ヒトの受精卵を遺伝子編集する技術から経済的な利益を得られる可能性に着目。医学分野の研究者2人と協力し、遺伝子編集技術を利用してHIVへの耐性を持つ赤ちゃんを誕生させたとされる。

裁判所は3被告について「医師の資格を得ずに利益を追求し、科学研究や医療管理に関する国の規則に故意に違反して、科学と医学の倫理の最低ラインを越えた。遺伝子編集技術を生殖医療に性急に応用し、医療を混乱させた」と指摘している。

賀被告以外の2人にはそれぞれ懲役2年と罰金100万元、執行猶予付きの懲役1年6カ月と罰金50万元が言い渡された。新華社によると、3被告はいずれも非公開の裁判で有罪を認めたという。

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