比刑務所で毎年5200人死亡 過密収容や病気、暴力で

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超過密状態の拘置所での生活

(CNN) フィリピンの首都マニラ近郊にあるニュービリビッド国立刑務所の病院責任者は26日までに、過剰な詰め込み、病気のまん延や暴力で同刑務所の服役者5人のうちの1人が毎年死亡している状況にあると報告した。

地元のCNN系列局「CNNフィリピン」は、死亡者数は毎年約5200人と伝えた。

同刑務所はマニラ郊外のモンティンルパ市に存在。病院責任者は同国議会上院の公聴会で、過剰な収容が肺結核の感染阻止を不可能にしていると証言した。

写真はケソン市の刑務所の様子。夜間、バスケットボールのコートに寝る受刑者たち=2016年7月19日
写真はケソン市の刑務所の様子。夜間、バスケットボールのコートに寝る受刑者たち=2016年7月19日

服役者の高い死亡率は同国の他の刑務所でも表面化。CNNが2016年に取材した同国で最も過密な矯正施設の1つとされるケソン市の刑務所には4000人以上の受刑者がおり、体がくっつき合うような生活を強いられていた。

寝る場所の確保もままならない状態で、30人収容の監房に131人が押し込まれてもいた。

国内の刑務所の飽和状態はドゥテルテ同国大統領が進める容赦のない麻薬戦争の副産物との批判もある。ケソン市の刑務所の受刑者数は16年初期には3600人を下回っていたがドゥテルテ大統領の同年6月の就任後の7週間で4053人に増えていた。

ケソン市の刑務所は60年前に定員800人を想定して作られた施設。ここに4000人近くが収容されている=2016年7月21日/NOEL CELIS/AFP/AFP/Getty Images
ケソン市の刑務所は60年前に定員800人を想定して作られた施設。ここに4000人近くが収容されている=2016年7月21日/NOEL CELIS/AFP/AFP/Getty Images

世界の刑務所の服役者人口などを調べた報告書によると、フィリピンの受刑者数は昨年5月の時点で、公判前の拘束者や再勾留中の者を含め18万8278人だった。

比刑務所では刑務官らの汚職行為のはびこりも問題視され、賄賂を払った囚人が携帯電話、たばこやテレビも入手出来る実態も指摘されている。

CNNフィリピンによると、ニュービリビッド刑務所の病院では一部の受刑者が専用の料理人や看護師を抱える事例もある。仮病を使って病院にとどまる服役者もいるとした。

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