マスク氏、トランプ氏へ歩み寄り 米LAの移民摘発抗議デモきっかけに

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記者団に話すトランプ米大統領の発言に耳を傾けるイーロン・マスク氏=5月30日/Kevin Dietsch/Getty Images

記者団に話すトランプ米大統領の発言に耳を傾けるイーロン・マスク氏=5月30日/Kevin Dietsch/Getty Images

(CNN) 米実業家イーロン・マスク氏は先週、トランプ大統領の弾劾(だんがい)を呼びかけた。ところが今週になって同氏は誰もが知る決裂を経て、政権を称賛する姿勢に戻り、態度を軟化させた。

この急変は、カリフォルニア州ロサンゼルスで移民税関捜査局(ICE)が滞在資格のない移民の一斉摘発を行ったことをきっかけとした抗議デモをめぐって起きた。

マスク氏は週末、トランプ氏に対する特に過激な投稿のいくつかをX(旧ツイッター)から削除した。これには、弾劾を求める投稿や、性的人身売買の罪で起訴されていた故ジェフリー・エプスタイン元被告の犯罪に関する文書にトランプ氏の名前があるとする主張が含まれていた。マスク氏はこの主張の証拠を示していない。

マスク氏は、ロサンゼルスに州兵を派遣したトランプ政権の姿勢を心から支持しているようで、バンス副大統領が「大統領は暴動と暴力を容認しない」と述べた投稿に星条旗を追加した。マスク氏は以前から、トランプ政権に同調し、国境封鎖や不法移民の阻止、国外追放を支持してきた。

マスク氏は、トランプ氏がカリフォルニア州のニューサム知事とロサンゼルスのバス市長について「ロサンゼルス市民に謝罪すべきだ」として批判したトゥルース・ソーシャルの投稿のスクリーンショットを掲載した。同市では衝突が発生し、車が放火され、抗議デモが激化している。

だからといって、マスク氏の発言が再び好意的なものになったわけではない。現在上院で審議されているトランプ氏の国内政策法案に対しては、より微妙な形ではあるものの、反対を表明し続けている。

マスク氏は8日、風刺サイト「バビロン・ビー」の記事「共和党、国民の投票結果とは全く逆のことをし続ける計画を発表」をリポストした。

しかしウォール街のアナリストたちは今のところ、多少の安堵(あんど)を見せている。アナリストらは、わずかでも緊張緩和が続くことを期待しているのだ。

ウェドブッシュのアナリスト、ダン・アイブス氏は、トランプ氏とマスク氏が今後数カ月をかけて徐々に関係を修復していくことは不思議ではないと記している。「結局のところ、トランプ氏はマスク氏が共和党と緊密な関係を保つことを必要としており、マスク氏も自動運転車のための連邦制度の承認など、さまざまな理由でトランプ氏を必要としているのだ」

テスラの株価は9日に4.6%上昇したが、公の場で決裂する前の5日の取引開始時点と比べて大きく下落したままだ。

トランプ氏は9日、マスク氏への態度をやや軟化させた。

ホワイトハウスでのイベントでトランプ氏は記者団に対し、「私たちは良好な関係を築いていた。彼の幸運を祈っている」と語った。

一方で、マスク氏から電話があった場合、会話をするかについては明言を避けた。「実のところ、それについてはあまり考えていない。彼は私と話したいと思っているだろうと思う」

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