大統領批判のベテラン記者、トランプ政権に要求されABCニュースが停職処分
(CNN) 米ABCニュースのベテラン記者、テリー・モラン氏が8日未明、X(旧ツイッター)への投稿でドナルド・トランプ大統領とスティーブン・ミラー大統領次席補佐官を強く非難した。ABCは同日、トランプ政権の要求に応じ、モラン氏を停職処分とした。
モラン氏は投稿の中で、トランプ氏とミラー氏の「世界級の憎悪」に言及。トランプ氏にとって憎悪は「目標を達成する唯一の手段であり、その目標は自らの栄光をたたえること。それが彼の精神的な糧だ」と書き込んだ。
一方、ミラー氏については「憎悪を心の糧としている」と述べ、「彼は自分の憎悪を食べている」とした。
モラン氏はホワイトハウスで4月にトランプ大統領の希少なインタビューを取り付けた記者。9日の投稿はその後削除して、以後書き込みは行っていない。
9日午前、トランプ政権はモラン氏を非難して、この投稿はABCニュースに悪い影響を及ぼすとコメント。ホワイトハウスのキャロライン・レビット報道官は「ABCに連絡を取って、テリーにどう責任を取らせるのか問いただしている」とXに書き込み、公然とモラン氏の処分を要求した。
FOXニュースの8日の番組では「このジャーナリストが停職か解雇になることを望む」とレビット氏は発言。ABC側の対応について「措置を講じると言った」と言い添えた。
約1時間後、ABCニュースはモラン氏の停職処分を発表した。
同社広報はCNNの取材に対し、モラン氏について「ABCニュースの報道は客観性と不偏性を重んじ、他者に対する主観的な個人攻撃は容認しない」と説明。「あの投稿はABCニュースの見解を反映しておらず、当社の基準に反する。結果として、さらなる検討を行う間、テリー・モランを停職処分とした」と話している。

テリー・モラン記者のインタビューに応じるトランプ大統領/From ABC