環境騒音による健康被害にWHOが警鐘、ガイドライン改訂

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欧州では5人に1人が日常的に重大な健康被害になりうる騒音にさらされているという/shutterstock

欧州では5人に1人が日常的に重大な健康被害になりうる騒音にさらされているという/shutterstock

(CNN) 欧州では5人に1人が日常的に、重大な健康被害をもたらしかねないレベルの騒音にさらされている――。世界保健機関(WHO)が9日、そんな報告書を発表した。「健康に対する環境リスク」の筆頭級に、環境騒音を挙げている。

欧州で道路交通騒音の影響を受ける人は年間1億人を超えている。健康問題との関係が実証されていることを踏まえ、騒音に関するガイドラインも改訂された。

過剰な騒音は高血圧や心疾患に影響を及ぼし、心臓発作や心血管系疾患による死亡の原因になることもある。子どもの認知力や健康状態も影響を受ける。

今回の報告書では初めて、風力タービンの騒音や、「レジャー騒音」(飲食店やフィットネスクラブの音楽、スポーツイベントやコンサートの音楽、個人の端末で聴く音楽など)にも対応した。

ガイドラインは環境騒音を専門とする2つの研究チームが最近の研究結果を調べ、24時間と夜間について許容範囲を定めた。

新しいガイドラインでは、道路交通の騒音レベルを平均で53デシベル未満に抑えるよう勧告し、夜間は45デシベル未満が望ましいとした。WHOによると、欧州連合(EU)加盟国の国民の40%は、55デシベル以上の交通騒音にさらされている。

鉄道や航空機、風力タービンの騒音は平均で44~54デシベルに抑えるよう勧告。夜間の航空機の騒音は40デシベル未満とすることを推奨し、それを上回る騒音と睡眠に対する悪影響との関係を指摘した。

レジャー騒音(通常は好んで聴かれる)については平均70デシベルにとどめることを推奨している。こうした音は難聴につながることもあり、それが原因で音に対する耐久力も高まる傾向がある。

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