イスラエル首相、イランは「一線越えた」 シリア内の拠点攻撃
ゴラン高原(CNN) イスラエル当局は11日までに、イランによるゴラン高原へのミサイル攻撃があったとして、シリア国内におけるイランの軍事能力ほぼ全てを攻撃したと発表した。イスラエルのネタニヤフ首相は同日の声明で、イランは「一線を越えた」と主張、イスラエルの行動は適切だったとの認識を示した。
イスラエルとイランは今回、夜間に数時間にわたり砲火を交えた。両国によるこれまでで最も直接的な衝突となっている。
この2日ほど前には、米国がイラン核合意からの離脱を表明。中東地域での影響力を争うイスラエルとイランの間では緊張が高まっている。
ネタニヤフ氏は10日夕方、メイ英首相と電話で会談した。イスラエル首相府の発表によれば、両首脳は「イランの攻勢や地域の状況、シリア情勢」について協議したとしている。
イスラエルによると、今回の衝突では9日夜、シリア国内に展開するイラン軍部隊からイスラエルに向けて20発以上のロケットが発射された。これに対し、イスラエルは地対地ミサイルとみられる兵器で反撃。シリアは迎撃のため対空砲を放った。国境地帯をまたぐ形で、イスラエルの砲撃による轟音(ごうおん)が響き、その後に着弾のかすかな音が続いた。
シリア軍は声明で、イスラエルのミサイルにより3人が死亡、2人が負傷したと明らかにした。またレーダー設備や弾薬庫が破壊されたほか、シリアの防空施設に対する物理的な損害もあったとしている。