緊縮財政のギリシャ、国民支援に1800億円を拠出

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ギリシャ政府が年金生活者らに支援金を支出する

ギリシャ政府が年金生活者らに支援金を支出する

ロンドン(CNNMoney) 深刻な財政危機の克服に取り組むギリシャのチプラス首相は18日までに、財政収支で予想外の黒字が生まれたとして緊縮策で生活難にある家族や年金受給者に10億ユーロ(約1320億円)を超える支援金を拠出すると発表した。

また、電気料金の値上げを防ぐため電力企業に3億6000万ユーロを融通するとした。これらの拠出は今年12月の予定。

拠出金のうち7億2000万ユーロは低中所得層の約340万人が対象。無税で支給額は家族構成や所得額によって異なる。別の3億1500万ユーロは医療関連支払いの還付金として年金受給者に付与される。

チプラス首相は昨年、年金受給者に6億ユーロ支給するとの計画を発表し、債権団の怒りを買ったことがある。今回の拠出案について、EUの行政執行機関である欧州委員会の報道担当者はギリシャ政府との協議内容の枠内として容認する見方を示した。

ギリシャは財政健全化の実現に当たり欧州連合(EU)や国際通貨基金(IMF)などの債権団との取り決めで少なくとも1.75%の財政黒字を確保するとの条件を突き付けられている。今年は税収増と追加の歳出削減で3%の黒字が出る見通しだという。

チプラス首相は緊縮策批判を前面に出して首相に就任したが、EUなどからの金融支援を取り付けるためより厳しい財政切り詰め策を迫られる結果になっている。

ただ、ギリシャ経済は緊縮策の効果もあり長年の不況を脱しつつある兆候を見せている。欧州委員会は今年の成長率は1.6%と見込み、18、19両年は2.5%と予想している。

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