米女子バスケでまたも「大人のおもちゃ」投げ込み、コミッショナー「全く容認できない」
(CNN) 米女子プロバスケットボールWNBAの試合で、またも「大人のおもちゃ」がコートに投げ込まれる事案が発生した。今回はアトランタ・ドリームがシカゴ・スカイに86対65で勝利した試合の終了直前だった。
シカゴのウィントラスト・アリーナで7日に行われた試合。残り6秒を切ったタイミングでスタンドから紫色のおもちゃが投げ込まれ、プレーは一時中断した。このところ相次ぐ類似事案で4件目となった。
スポーツメディア「フロントオフィス・スポーツ」のコリン・サラオ記者によると、同じ日に2個目のおもちゃも投げ込まれたが、こちらはアトランタ・ドリームのベンチ裏に落ちただけだった。
サラオ記者によると、この直後に男性2人が警備員から事情を聴かれたものの、2人の関与を示す証拠はなく、そのまま帰されたという。
CNNはWNBAとシカゴ・スカイ、アトランタ・ドリームにコメントを求めている。
WNBAは今週、コートにおもちゃを投げ込む現場が押さえられたファンは全員訴追され、リーグ観戦を禁止されると警告していた。
WNBAのコミッショナーを務めるキャシー・エンゲルバート氏も、相次ぐ事案を非難。7日、今回の出来事が起きる前にスポーツビジネス・メディア「スポルティコ」の取材に応じ、「私はもうすぐキャリア40年目だが、残念な事にこうした行為は起きてしまう。全くもって容認できない」と述べた。
「こうした人物は何らかの悪名を得るのと引き換えに、重罪の有罪判決を受けることになる。すでに男2人が拘束され、重罪で訴追されている。彼らがちょっとした悪ふざけのためにこんな事をするのは全く理解できない」(エンゲルバート氏)
そのうえで「重罪の前科が欲しいならやればいい。ただ、何であれ物を投げ込むのは非常に危険。彼らが投げている物を考えれば、なおさらだ」と訴えた。
シカゴ・スカイの試合が中断されたのは2度目。1日のゴールデンステート・バルキリーズ戦でも、スタンドから大人のおもちゃが投げ込まれ、コートのすぐ外のバスケット下に落ちていた。
これに先立ち、ミネソタ・リンクスのヘッドコーチを務めるシェリル・リーブ氏は相次ぐ事案に触れ、「集中を妨げる雑音」と表現していた。
リーブ氏は記者団に、「この手の出来事は何世紀も前から続いている」とコメント。「女性を性的対象として扱うものであり、今回はその最新形だ。面白くも何ともなく、ラジオ番組や紙媒体、いかなるコメントでも冗談のネタにすべきではない」と述べた。
「女性の性的対象化は女性を抑圧する目的で行われており、その点は今回も変わらない。これはその最新形であり、そのように報じるべきだ。こうした行為に及んだ人物が責任を問われるべきなのであって、私たちが笑いの種にされるべきではない。問題は彼らだ」(リーブ氏)