米ロ、場外でも非難の応酬 シリア軍への空爆めぐり
(CNN) 米軍主導の有志連合がシリア政府軍の拠点を空爆したことを受け、ロシアが開催を求めた国連安全保障理事会の緊急会合で、米ロ両国の国連大使の間で激しい応酬が議場外でも繰り広げられた。
ロシアのチュルキン国連大使は、今回の空爆が行われたタイミングを疑問視。米ロ間で対テロ作戦の調整が始まる2日前というタイミングで空爆が行われたことを指摘した。
また、チュルキン大使は米国のパワー国連大使の言動に不快感を示し、緊急会合を急きょ途中退席した。退席後には「米国がこれほど高圧的な態度を示したのは見たことがない」と述べた。
パワー大使はチュルキン大使が発言している間、議場の外で、報道陣に対し、ロシアによるシリア政府への支援について批判を展開。ロシアが緊急会合開催を要請したことについても、「風変り」などと非難した。
パワー大使はまた、米軍主導の有志連合による17日のシリア軍空爆は意図的なものではないとしたほか、米政府はいかなる人命の喪失に対しても遺憾の意を表明すると指摘。そのうえで、シリア政府が5年にわたる内戦で常態化させたとする残虐行為の数々を列挙した。
これに対しロシア外務省のザハロワ報道官は、フェイスブック上でパワー大使に応答。パワー大使がシリアを訪れ、米国政府の積極的な関与の下で行われている「血まみれの実験」の中で暮らしている人々に会えば、「恥という言葉の意味」が理解できるだろうと述べた。