タイ国王と「愛犬」を侮辱、不敬罪で逮捕 禁錮37年も

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(CNN) タイ軍政は16日、同国のプミポン国王(88)を侮辱するフェイスブック上のページに「いいね!」で応じ、愛犬を皮肉る投稿もした男性の工場従業員(27)をタイ王室への名誉毀損(きそん)などを禁じる「不敬罪」に抵触したとして逮捕、訴追したと発表した。

被告の弁護士によると、不敬罪の他、扇動やコンピューター犯罪の罪にも問われている。別の弁護士は、同罪違反が王室絡みの動物を対象にして適用された例は聞いたことがないと指摘した。軍事法廷で訴追されたもので、審理は非公開で実施される見通し。

被告の弁護士は「あらゆる意味で馬鹿げている」と批判。「自らの共感を示すためクリックした人々を訴追出来ない」と反論した。

また、タイ軍政の汚職体質への追及を阻止する試みとも主張した。被告は軍政が進める公園整備事業の不正疑惑に言及したフェイスブックのページにも同意を示していたという。

被告は先週、首都バンコク近くの自宅で昨年の軍部クーデター後、タイを統治する国家平和秩序評議会(NCPO)の犯罪対策部門の要員に逮捕されていた。

被告が有罪となった場合、最長で37年の禁錮刑が言い渡される可能性がある。

クーデターは当時の陸軍司令官だったプラユット・チャンオーチャー氏が主導したもので、氏は現在暫定首相を務めて実権を握る。軍政には今年、国家の調和と安全保障が脅威を受けた場合、国民の活動を制限出来る新たな治安権限が付与されてもいた。また、クーデター後、不敬罪違反の適用事例も目立っている。

プミポン国王は世界の現役君主のなかで最長の在位期間を誇る。ただ、近年は体調がすぐれず、入退院を繰り返している。

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