米国への駆け込み図るキューバ人が急増 政策変更のうわさで
しかし、沿岸警備隊でキューバ周辺海域のパトロールを統括する司令官は「うわさが流れ続けると人々はそれを信じるようになり、あわてて海を渡ろうとするのだろう」と指摘。「これだけの人数が粗末なボートでこぎ出すのは非常に危険な状況だ」と、懸念を示す。
うわさの発信源は不明だが、人身売買やボート作りの業者が絡んでいる可能性があると、同司令官らは語る。人々の安全など関知せずにうわさを流し続ければ、業者はボートが売れてもうかるという図式だ。
59年のキューバ革命以降、米国には多くのキューバ難民が流れ込んできた。80年の「マリエル事件」ではわずか半年のうちに約12万5000人が入国したとされる。
今回の人数増加がそこまでの規模に達することはないとみられるが、沿岸警備隊はキューバとの間のフロリダ海峡への展開を増強するなどして、万が一の事態に備えている。