(CNN) 米連邦捜査局(FBI)が、2020年のジョージ・フロイドさん死亡事件を受けて行われた抗議活動でデモ参加者と共にひざまずいているところを撮影された職員数人を異動させたことが分かった。事情に詳しい関係者がCNNに明らかにした。
事案から約5年たって行われた異動はFBI内部関係者の多くが降格と見なしている。FBI当局者は、職員らをあまり望まれない職種に変更した理由について説明していない。
今回の異動は、刷新されたFBI幹部らが公約の実現に向け実行する、より広範な取り組みの一環だ。公約はトランプ大統領が「woke(ウォーク、意識が高い人たち)」や政治化勢力と呼ぶ人々をFBI内部から一掃するというもの。
FBIの元当局者は、事案に関与した職員を処罰したことで、FBIが通常の懲戒手続きを回避しているという懸念が生じていると述べた。通常の懲戒手続きは、事案の審査に数カ月から1年以上かかることもある。
ワシントンで発生したこの事案では、連邦政府の記念碑や建物の警備にあたる職員らが抗議活動を行うデモ隊に遭遇した際に発生した。
一部の職員は、緊張を緩和するためひざまずくことを試みた。これが功を奏し、抗議者たちは立ち去った。
しかし、後になってこのときの写真が公開されると、FBI内部では激しい賛否両論が巻き起こった。現職および元職のFBI職員によると、ひざまずいた捜査官の中には、同僚から疎外され、個人的に攻撃された者もいたという。一方で、暴力に発展しなかったことに感謝し、行動を支持する職員もいた。暴力に発展すればFBIの評判をさらに傷つける可能性があった。
FBI幹部は事案を精査し、状況から判断して規定違反には当たらないとしていたという。