米極右団体「プラウドボーイズ」のメンバー、司法省を提訴 議事堂襲撃関連の訴追巡り
(CNN) 2021年1月6日の米連邦議会議事堂襲撃事件に関連する複数の罪状で有罪判決を受けた極右団体「プラウドボーイズ」のメンバーが、「政治的迫害」を被ったとして司法省を提訴している。
メンバーらは後にトランプ大統領によって恩赦、減刑された。
提訴した人々には、プラウドボーイズのかつての指導者も複数含まれる。彼らは議事堂襲撃事件での訴追について「甚大で組織的な司法制度並びに合衆国憲法の乱用」に相当すると主張。その目的はトランプ大統領の政治的支持者を処罰、抑圧することであり、合法か非合法かを問わずありとあらゆる方法でこれを行ったと糾弾した。
提訴した5人のうち4人は扇動共謀罪で有罪となり、それぞれ長期の禁錮刑を言い渡された。
プラウドボーイズは政府に対し、刑事訴追の賠償として1億ドル(約145億円)支払うよう求めている。またこの件での陪審裁判も要求している。
CNNは司法省にコメントを求めている。
共和党議員やトランプ氏の支持者らは、議事堂襲撃に加わった人々に対する数百件の訴訟について、多くがバイデン前政権下の司法省による政治的迫害に相当すると以前から主張していた。そうした迫害はトランプ氏の支持者を標的にしたものだという。
6日の提訴により、政権はプラウドボーイズの訴追を擁護するか、彼らとの和解を迫られる可能性がある。
裁判時に検察が述べたところによれば、司法省を提訴した一人のドミニク・ペゾーラ氏は乱入者の中で最初に議事堂の窓を破り、多数のデモ参加者が建物内に入れるようにした人物。他の4人はプラウドボーイズのリーダー格で、襲撃の各部分に絡む調整や指揮を支援していたという。
今回のプラウドボーイズ側の訴状は、検察が5人を標的にしたと糾弾。実際のところ彼らは議事堂襲撃を組織も調整もしておらず、検察もそのことは承知していたと訴えている。
検察は「全く新しい法理論」をでっち上げ、陪審員を不正に選定し、被告が弁護士と連絡を取ることも妨害したと、訴状は主張している。