米国防長官、著名な同性愛活動家にちなむ艦艇の改名命じる

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ヘグセス米国防長官が改名を命じた海軍の補給艦「USNSハーベイ・ミルク」/Mass Communication Specialist 2nd Class Maxwell Orlosky/US Navy

ヘグセス米国防長官が改名を命じた海軍の補給艦「USNSハーベイ・ミルク」/Mass Communication Specialist 2nd Class Maxwell Orlosky/US Navy

(CNN) 米国のヘグセス国防長官は4日までに、海軍長官に対し補給艦「USNSハーベイ・ミルク」の名称を変更するよう命令した。国防当局者が明らかにした。

2021年に進水した同艦の名称は、同性愛者の権利擁護のために活動したハーベイ・ミルク氏にちなむ。ミルク氏は海軍に入隊したものの、その後性的志向を理由に除隊を余儀なくされた。同艦の改名は月内にも公式に実施される見通しだと、当該の当局者は述べた。

新たな名称は明らかにされていないが、改名が性的少数者を祝福するプライド月間の6月に行われることは注目に値する。

改名の見通しについては、軍事情報サイトのミリタリー・ドット・コムが最初に報じた。

国防長官府にコメントを求めたが返答はなかった。

艦艇の名称変更は珍しく、国防長官の命令による事例は最近の記録において存在しない。

23年に行われた直近の改名は、連邦議会の委員会からの勧告を受けたもので、南北戦争時の南部連合国に由来する艦名二つが変更された。

今回の改名は、ヘグセス氏が注力する米軍内での「戦士の文化」再建に沿う措置となっている。この取り組みは主として、 DEI(多様性、公平性、包摂性)に関するプログラムの廃止を通じて進められている。

国防総省のパーネル報道官は声明を出し、あらゆる艦艇の改名の決定は、内部審査の完了後に発表されると述べた。

一方、ペロシ元下院議長は声明を出し、報道されたトランプ政権によるハーベイ・ミルクの改名を非難。全ての人々にとっての障壁を取り払い、アメリカン・ドリームの追求を可能にするために奮闘した人物に対し、その足跡を消し去ろうとする行為は「恥辱」だと糾弾した。

またこうした措置は国家安全保障の強化にはつながらず、逆に米国の基本的価値観を損ねるものだとの認識を示した。

朝鮮戦争の時代に海軍に入隊したハーベイ・ミルク氏は、1955年に除隊後、ニューヨークからカリフォルニア州へ移り住み、77年にサンフランシスコの市議会議員に選出された。

議員の任期中には、性的少数者に対して住宅や雇用に関する差別を禁じる条例を制定するなど、同性愛者のコミュニティー保護に取り組んだ。

しかし議員就任から1年足らずの78年、再任を求める前市議との争いに巻き込まれ、この前市議によって当時の市長と共に市庁舎で射殺された。

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