歴史的猛暑で死者続出、暑さ和らぐ兆しなし 米国
(CNN) 米全土で7月としては記録的な猛暑が続き、熱中症とみられる死者が続出している。猛暑は今後も続く見通しで、死者がさらに増える可能性もある。
この夏の気温は北東部のメーン州から西部のカリフォルニア州まで、全米の約100都市で観測史上最高を記録した。7月に熱中症の疑いで死亡した人は少なくとも37人に上っており、実際の数はそれより多いと思われる。
前例のない記録的な猛暑が長期間にわたって続く西部では特に死者が多く、カリフォルニア州サンタクララ郡だけで少なくとも19人の死亡について、猛暑が関係したとみられている。
サンタクララ郡で熱中症で死亡したとみられる人のうち少なくとも3人は住居がなく、適切な冷房を使用できなかった。9人は65歳以上だった。
テキサス州南東部では少なくとも1人が死亡した。同地はハリケーン「ベリル」の影響で、今も100万人以上が4日目となる停電に見舞われている。発電機を不適切に使用して涼もうとしたために死亡したり、具合が悪くなったりした人もいた。
アリゾナ州やジョージア州など4州では、猛暑の中で車の中に取り残されて、2~5歳の子ども4人が死亡した。
アリゾナ州フェニックスでは先週、猛暑の中で公園をハイキングをしていた10歳の子どもが熱中症関連の症状で死亡した。フェニックスは7月に入ってから連日、過去最高の記録に並ぶか記録を更新する暑さを観測していた。
フェニックスでは9日以来、最高気温が43度を超え、最低気温は32度を下回らない日が続く。フェニックスのマリコパ郡は数十人の死亡について、熱中症関連だった可能性があるとみて調べている。
オレゴン州では少なくとも10人が熱中症の疑いで死亡した。同州ポートランドの最高気温は過去1週間のうち少なくとも5日連続で記録を更新していた。
猛暑の中の屋外活動で命を落とす人も相次いでいる。
カリフォルニア州デスバレーでは6日、バイクに乗っていた1人が熱中症のため死亡した。最高気温は53.3度に達し、この日の記録を更新。地球上で観測された史上最高気温に迫っていた。
デスバレー国立公園でハイキングをする旅行客=7日/Etienne Laurent/AFP/Getty Images
7日にはグランドキャニオン国立公園で50歳の男性が死亡した。
ただ、熱中症による死亡と断定するには時間がかかることから、まだ調査中の症例もある。
今後も高温が続き、死因の確認が増える中、熱中症関連の死者はさらに増えると予想される。
予報によると、7月下旬から8月上旬にかけ、米国のほぼ全土で平年を超える暑さが続く見通し。