トランプ氏の選挙介入訴訟、地裁判事が公判延期
ワシントン(CNN) 2020年米大統領選の結果転覆を巡るトランプ前大統領に対する刑事訴訟で、首都ワシントンの連邦地裁が公判の日程を延期したことが分かった。トランプ氏が自身の免責特権の適用に関して上訴しているため。本件に関する新たな裁判所命令で明らかになった。
当初公判は3月4日に設定されていたが、連邦控訴裁判所がトランプ氏の主張を検証するのを受けて、訴訟が停止された。トランプ氏は21年1月6日に発生した連邦議会議事堂襲撃事件について、当時大統領だった自分には免責特権が適用されるべきだと訴えている。控訴裁はまだ免責特権に関する判断を下していない。
トランプ氏の弁護士チームは1月、訴訟が停止しているにもかかわらず検察側が裁判所に文書を提出し続けていると苦情を申し立てていた。これを受けワシントン連邦地裁のチャトカン判事はスミス特別検察官のチームに対し、自身の許可なく訴訟を継続するべきではないと警告していた。
公判の延期はトランプ氏にとっての勝利を意味する。同氏は再三、裁判を24年大統領選の後まで先送りしようとしていた。ただ実際に11月の投票後まで裁判を遅らせることができるかどうかは不透明だ。
トランプ氏の顧問2人がCNNに明らかにしたところによると、同氏のチームは今後も一段の延期を求める方針。そこで重要な焦点としているのは、今回の裁判所命令でチャトカン判事が新たな公判の日付を設定していないことだという。
2日に出した裁判所命令の一部で、チャトカン氏は予定されていた陪審員にも言及。陪審員らは来週出廷し、記述式の質問票に回答するよう求められていたが、もはやその必要はなくなったとした。
当該の裁判の日程は、トランプ氏が抱える四つの刑事訴訟の最初に位置づけられていた。トランプ氏はこれらの訴訟で無罪を主張している。