ウクライナの反転攻勢は期待下回る、ホワイトハウスが認める 支援は継続を約束
(CNN) 米国のバイデン政権は30日、ウクライナ軍による反転攻勢の初期段階について、戦果が期待を下回っていることを認めた。それでも米国として支援を継続することを改めて明言。支援は訓練や装備、助言を提供する形になるとした。
米国家安全保障会議(NSC)のカービー報道官は同日、報道陣に対し、ウクライナ側と定期的に連絡を取り、常に状況を把握できていると説明。今後も引き続き可能な範囲で反転攻勢を支援する意向を示した。具体的には旅団レベルの訓練や追加の戦力の供与、助言及び情報の提供といった内容に言及した。
その上で、実際の反転攻勢をどの戦域で仕掛けるか、またどの程度のペースで遂行するかといった判断はあくまでもウクライナ側が下すと強調した。
一方、米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は30日、当初の見立てより反転攻勢のペースが緩やかな点について「戦争が持つ本質の一部」との認識を表明。「以前述べたように、この反攻には6週間、8週間、10週間程度の日数がかかる。非常に困難かつ長い戦いになるだろう。大変な数の犠牲者が出るはずだ。誰だろうと戦況の一切について、いかなる幻想も抱くべきではない」と語った。
各国のジャーナリストが集まる米ワシントンでのイベントで述べた。
「彼らは文字通り命がけで戦っている」「確かに多少時間がかかっているが、それは戦争の持つ本質の一部だ」(ミリー氏)
CNNが先週報じたところによると、西側諸国の複数の当局者らは反攻について、現時点で「どの前線においても期待以下」だとの認識を示した。十分に強化されたロシア軍の防衛線をウクライナ軍が突破しあぐねていることなどが要因だという。
カービー報道官はウクライナ軍がある程度の進展を果たしたことを認めつつ、戦闘がいつまで続くかを示す具体的な日程への言及は控えた。