現実味増すウクライナへのF16供与、訓練などで課題山積

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退役大佐に聞く、F16が「ゲームチェンジャー」となりうる理由

(CNN) ウクライナが米欧に求め続けていたF16型戦闘機の引き渡しはバイデン米大統領が先に操縦訓練の支援への同意を表明するなどして現実味を増す展開となってきた。

ただ、ウクライナが仮に同機を手にしたとしても戦況を一気に有利にし得る兵器にはならないとし、弱点も抱えることになると軍事専門家らはみている。ロシア側はF16機が実戦に投入されたとしても大きな戦力にはならないと見越し、むしろその弱味につけ込む対応策を講じるとも予測している。

同機の現役パイロットはCNNの取材に応じ、同機がもたらす攻撃力への期待は過多になっている可能性に言及した。戦場で違いを生み出せる戦力になるのかの質問には「そうではない」とも言い切った。

英航空専門誌「フライト・グローバル」の世界の空軍機一覧によると、各国空軍に現役機として今年配備されている同機は約2200機。世界の現有の航空戦力に組み込まれる機種としては15%を占める最大の支持を得ている。

ウクライナへ供与される場合、米国が西欧諸国の同盟国へ譲り渡した同型機の旧式になるとみられる。

元米空軍操縦士で空軍問題の著述家であるロバート・ホプキンス氏は、西側諸国ではF16機が余っており、即座に届けられる態勢があるほか、飛行に必要な後方支援態勢の能力も持っていると指摘した。

同機より優れた戦闘機もあるが数が少なく、供与の余地がないともつけ加えた。

F16を実際に飛ばす場合、維持管理要員の訓練期間は操縦士より長くかかる。オーストラリア空軍の元将校で同国グリフィス大学アジア問題研究所のピーター・レイトン研究員は操縦訓練は3カ月で可能だろうとの見方を示した。

一方で、米議会調査局(CRS)はF16移譲に関する今年3月の報告書で、維持管理要員の訓練は目的とする習熟度によって違いはあるものの、数カ月あるいは数年かかる可能性に触れていた。

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