クラスター弾のウクライナへの供与、バイデン米政権が近く承認の可能性 当局者

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(CNN) 米国のバイデン政権が、物議を醸す兵器であるクラスター弾の弾頭について、ウクライナへの供与の承認を強く検討していることが分かった。事情に詳しい多くの人々がCNNに明らかにした。ウクライナ軍は数週間前からロシア軍に対する反転攻勢を仕掛けているが、目立った戦果を挙げるのに苦慮している。

ある米当局者はCNNの取材に答え、クラスター弾が供与されれば間違いなく戦況に重大な影響をもたらすと述べた。

複数の当局者らによると、ホワイトハウスは間もなく最終的な決断を下す見通しだという。供与が承認されれば、当該の兵器は来月にもウクライナ向けの追加の軍事支援に盛り込まれる可能性がある。

ウクライナの当局者らは昨年以降、クラスター弾を供与するよう米国に圧力をかけ続けているが、米国は民間人に被害が及ぶリスクを理由に供与を見合わせてきた。英国やフランス、ドイツをはじめとする主要な米国の同盟国がクラスター弾を禁止する条約に署名していることも背景にある。

クラスター弾が広範囲にまき散らす「子弾」は着弾時に爆発しない場合があり、地雷と同様、遭遇した人が被害に遭う長期的なリスクを及ぼしうる。

ウクライナ軍の反転攻勢には、米当局者らがこれまでの流れで期待したほどの目立った進展が見られない。ロシア軍の防衛線は当初の予想より高度に要塞(ようさい)化されていることが、ここへ来て明らかになった形だ。

反転攻勢が長引いた場合、ウクライナ軍の使用する弾薬が今後足りるのかどうかも現時点で不透明だと、当局者や専門家は指摘する。

米国ではクラスター弾の使用を2016年以降段階的に縮小しており、現在大量の備蓄がある。これをウクライナに供与すれば、弾薬不足を補えると当局者らはみている。

米政権の当局者らの間では既に、一部同盟国の懸念を軽減したとの見方も出ているという。

当該の当局者によれば、クラスター弾の供与はウクライナに新たな能力をもたらすことにはならない。ロシアがウクライナに侵攻した昨年2月以降、ウクライナとロシアは共にクラスター爆弾を使用しており、最近ではウクライナ軍がトルコから供与されたクラスター弾の戦場での使用を開始した。

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