トランプ氏が司法省にかけた圧力、元同省幹部が証言 米議会襲撃の公聴会ポイント

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証人らはトランプ氏が自分の主張を正当化するために用いた手法を明確に説明した/Doug Mills/Pool/Getty Images

証人らはトランプ氏が自分の主張を正当化するために用いた手法を明確に説明した/Doug Mills/Pool/Getty Images

大統領執務室での20年12月の会議

公聴会では、20年12月にホワイトハウスの大統領執務室で開かれた会議にも焦点が当てられた。そこでトランプ氏は、ローゼン司法長官代行を更迭して、クラーク氏を後任に据えることを考えていた。クラーク氏は連邦政府の権限を使って、州の議員にトランプ氏敗北の結果を覆させる取り組みを進めたい意向を示していた。

こうした経緯は既に広く知られていたが、23日の公聴会では、その会議に出席していた当局者本人が生で証言する機会となった。

ホワイトハウスの弁護士、エリック・ハーシュマン氏は、会議でクラーク氏が何度も酷評され、自身もクラーク氏を「くそったれ」と呼んだと語った。クラーク氏が示した、激戦州に書簡を送る計画も「気が狂っている」と断じたという。

ドノヒュー氏は事前に録画された証言の中で、司法長官を務めるにはクラーク氏が力不足だと会議中に指摘したと述べた。クラーク氏の計画を「不可能」で「ばかげている」と切り捨て、ホワイトハウスの法律顧問パット・シポローネ氏も同計画を「無理心中の協定」だと批判していたことを明らかにした。

ローゼン、ドノヒュー、ハーシュマン、シポローネ各氏が押し返したことで、トランプ氏はクラーク氏の計画を採用しなかった。もし計画に従っていたら、米国が未知の領域へ踏み込み、トランプ氏のクーデターの試みが成功する確率が上がっていただろう。

イタリアの衛星に投票機の押収、ホワイトハウスが推進した陰謀論

トランプ氏は自分の主張を正当化するために、連邦政府のあらゆる手段を使おうとしていた。公聴会に出席した3人の証人は全員、それを明確に説明した。

3人によれば、政権最高レベルの当局者が、インターネットの片隅にあった陰謀論の調査を迫られていた。トランプ氏は、不正投票が広まっていたという根拠のない主張を正当化しようと躍起だった。

当時のミラー国防長官はホワイトハウスの要請で、イタリアの衛星が投票結果をトランプ氏からバイデン氏に変えたという陰謀論を調査するため、イタリアの国防相に連絡した。

自身もこうした陰謀論の調査を求められたドノヒュー氏は、陰謀論を「完全に狂っている」と断じた。CNNは以前、メドウズ首席補佐官が国防幹部にこの陰謀論の調査を求めていたと報じている。

証人らは、トランプ氏本人が自分たちや国土安全保障省の幹部に対して、州政府から投票機を押収するように求めてきたとも語った。前例のない措置だがその根拠は示されなかった。

ローゼン氏によると、司法省の当局者がトランプ氏に、国土安全保障省は投票機に関して専門性を有するが、押収を正当化できるものは何も見つからないと伝えたところ、トランプ氏は秘書にバージニア州の州務長官に電話するように叫んだという。

ローゼン氏は、国土安全保障省が投票機を押収できると自分からトランプ氏に伝えたことは一度もないとも証言した。

CNNは以前、トランプ氏の側近が軍や国土安全保障省に投票機を押収させる大統領命令を起草していたと報じた。トランプ氏は最終的にそれに署名することはなかった。

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