合衆国憲法修正25条とは? 発動の仕組みを解説

トランプ米大統領の罷免(ひめん)を可能にする憲法修正25条の概要とは?/MANDEL NGAN/AFP/Getty Images

トランプ米大統領の罷免(ひめん)を可能にする憲法修正25条の概要とは?/MANDEL NGAN/AFP/Getty Images

(CNN) トランプ米大統領の残り任期は2週間足らずとなったが、大統領が連邦議会への暴徒による攻撃をあおったことを受け、一部の共和党員からはトランプ氏を公職から追放すべきか積極的な検討を始める動きが出ている。

適切な対処法としてはトランプ氏の弾劾(だんがい)があるかもしれない。弾劾すればトランプ氏が再び大統領選に立候補することができなくなるだろう。だが、弾劾で訴追し裁判を行うにはあと2週間では足りなそうだ。また、同氏は任期中にウクライナに対する行為で下院で弾劾訴追を受けたものの、上院で無罪となり公職から追放されなかった。

2つ目の選択肢は合衆国憲法修正25条の発動だ。この条項は不良の、または無能力となった大統領を除外する最終手段として時折議論の対象となってきた。

共和党の情報筋が6日夜に明かしたところによると、閣僚の一部は修正25条の発動に関する準備的な話し合いを行った。

だが、同条が設定するハードルは非常に高い。

修正25条を発動する要件は?

条文によると、トランプ大統領から権力を強制的に奪い取るには、ペンス副大統領がそれに賛成しなければならない。ペンス氏はさらに閣僚の過半数から、トランプ氏が不適格で同氏から一時的に権力を奪うことへの賛同を得る必要もある。

トランプ氏はこうした動きに対し、議会に書簡を送り争うことができる。その場合、ペンス氏と閣僚は大統領と争うため4日間の猶予があり、ペンス氏らが争えば議会はこれに関する採決を行う。トランプ氏を除外するには3分の2の特別多数の賛成が必要となり、これは通常67人の上院議員と290人の下院議員を意味する。

議会は閣僚に代わって大統領の適格性を審査する議会の組織を指名することも可能だ。ペロシ下院議長は最近の議会で、これを目的とする議会の組織を作る法案を提出したものの、成立しなかった。

なぜ修正25条はあるのか?

修正25条はジョン・F・ケネディ大統領の暗殺事件後に制定された。継承順位を明確にし、急な不測の事態に備える目的で作られた。

ケネディ氏の前任のアイゼンハワー大統領も1950年代の任期中に心臓発作を経験。まだ修正25条はなく憲法上に規定がなかったため、ニクソン副大統領と権力継承について合意をしていた。

修正25条のうち副大統領と閣僚に大統領の除外を認める部分は、リーダーが昏睡(こんすい)状態や脳卒中になったときを想定していた。

レーガン政権は81年のレーガン大統領暗殺未遂事件の後、レーガン氏から権力を移行するための上院宛ての書簡を準備していた。実際には署名も送付もされなかったが、その文書はレーガン図書館のウェブサイトで閲覧できる。

今回、大統領があおって暴徒が連邦議会議事堂を襲撃したことは、この不測の事態に該当する米国史上初の事件となるかもしれない。

議事堂から暴徒が追い出される中、大統領の歴史に詳しいダグラス・ブリンクリー氏はCNNの番組に出演し、共和制に危険を及ぼす大統領の追放を真剣に議論するような場面がくるとは思いもしなかったと発言。「我が国はまさに今、ドナルド・トランプに人質にとられている」「ミッチ・マコネル(上院院内総務)とペロシ下院議長は今日議事堂で会うことすらできない。憲法のバッグの中身を探して、ドナルド・トランプをコントロールできるものを探さなければいけない。間違いなくそこには修正25条がある」と語った。

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