1000枚を超える歴史的金貨のコレクション、5億円で落札
(CNN) フランス・パリで開催された競売で、歴史的な金貨の膨大なコレクションが総額300万ユーロ(約5億円)を上回る金額で落札された。金貨はある家屋の壁から所有者の死後に回収されたもの。競売会社のボーサン・ルフェーブル・アンド・アソシエイツが12日に明らかにした。
これらの金貨は、2024年に亡くなるまでフランス南西部の小さな村に住んでいたポール・ナルス氏が収集したものだという。
硬貨専門家のティエリー・パルシー氏が発表した競売に関する声明によると、ナルス氏は質素な生活を送り、全財産をコレクションに費やした結果、枚数と希少性において並外れた金貨コレクションを築き上げた。金貨の枚数は1000枚を超えるという。
収集家のポール・ナルス氏は質素な生活を送っていたという/Beaussant Lefèvre & Associés
パルシー氏によると、金貨の多くは数世紀前のもの。
コレクションの中には、紀元前336年から323年にかけてのマケドニア王国時代の古代金貨や、フランス国王ルイ14世、ルイ15世、ルイ16世の治世中に使用された金貨のほぼ完全な一式も含まれている。
コレクションはさまざまな時代のものをとりそろえているという/Beaussant Lefèvre & Associés
ナルス氏には直系の子孫がおらず、同氏の趣味を知る人も少なかった。
コレクションがどこに保管されていたかを知る人はおらず、「永遠に発見されなかった可能性もあった」とパルシー氏は語る。ナルス氏が亡くなる1年前に老人ホームに入居して以降、空き家になっていた自宅で公証人が金貨を発見した。金貨は物置の絵画の後ろに隠されていた壁の小さな空間から見つかったという。
公証人は、丁寧にラベルが貼られたコレクションに加えて、金塊1個に相当する20フラン金貨172枚が入った小包10個も発見した。
今回の最終的な落札額は、入札前の予想額200万ユーロをはるかに上回った。