黒人女性射殺の捜査停滞に抗議のデモ、64人逮捕 米ケンタッキー州
ケンタッキー州ルイビル(CNN) 米ケンタッキー州ルイビルで黒人女性が警官に撃たれ死亡した事件をめぐり、警察の捜査が滞っていることに抗議する大規模なデモが25日、同市内で実施された。警察は参加者少なくとも64人を逮捕したと発表した。
ルイビル警察の責任者が記者会見で語ったところによると、デモはほぼ平和的に行われたが、大勢のグループが複数の交差点で車道を横切り、危険な状況を招いた。警官らが歩道から出ないよう注意したが、これに従わなかった参加者らが逮捕されたという。
救急救命士のブレオナ・テイラーさんは今年3月、ルイビル市内の自宅で射殺された。抜き打ち捜査の令状を持ってテイラーさん宅に入った私服警官3人を、一緒にいた恋人が侵入者だと思って発砲したのに対し、警官がテイラーさんを繰り返し撃ったとされる。
テイラーさんの母はCNNとのインタビューで、事件から数カ月たつのに捜査が停滞しているのはどうしてなのか、理解できないと訴えた。
デモにはフロリダ、ミシガン、ニューヨーク各州などから多数の参加者が加わった。デモ隊は警官の断罪などを叫んで市内を行進し、米国競馬の祭典、ケンタッキーダービーの会場として知られるチャーチルダウンズ競馬場に座り込んだ。
ケンタッキーダービーは新型コロナウイルス感染拡大の影響で5月から来月5日に延期されたが、デモ主催者らはこの日も抗議行動を予定している。
ベシア知事は記者団に「テイラーさんの遺族には真実を知る権利がある。我々は少なくとも、こんなに時間がかかっている理由を知る必要がある」と語った。