米国防戦略に専門家が警告、中ロとの戦争で敗北のリスク
ワシントン(CNN) 米国のトランプ大統領の新しい国防戦略について、超党派の専門家が14日に発表した報告書で、米国が中国やロシアとの戦争に敗北する危険にさらされると警告した。
トランプ政権は、2018~19年度で大幅に増大した国防予算の削減を検討している。
これについて報告書では、トランプ政権が中東などの対テロ作戦よりも、ロシアと中国に照準を絞ったことを評価しながら、その目標にどう到達するかが説明されていないと批判。「世界の危険の高まりという課題に米国がどう対応するかに関して重大な疑問に対する答えが出されていない」と述べ、新戦略の裏付けとなる予算や組織改編が欠如していると批判した。
さらに、「敵対する大国を破ると同時に、他の敵を阻止するといった同時戦略の野心的目標の達成において、明らかにリソースが不足している」とした。
2019年度の国防費は7160億ドル(約81兆円)に達する見通しだが、国防当局者がCNNに語ったところによると、次年度はこれを7000億ドルに削減することを検討しているという。
報告書は政策担当国防次官だったエリック・エデルマン氏を委員長とする12人の専門家が、法律に従い、国防戦略について独立した立場から検証を行ってまとめた。
ロシアと中国の軍事力増強にも言及し、「米軍は容認しがたいほど高い犠牲者を出す可能性がある」「中国やロシアに対する戦争で苦戦を強いられたり、あるいは敗北したりする可能性がある」と警告。「特に2つ以上の戦線で同時に戦うことを強いられれば、米国が圧倒される危険がある」としている。