米大使館、5月にエルサレム移転 国務省
ワシントン(CNN) 米国務省は23日、在イスラエル米大使館を5月に現在のテルアビブからエルサレムに移転すると発表した。イスラエル建国70周年を迎えるのに合わせて移転を行うとしている。
米政権は昨年12月、大使館移転に向けた幅広い取り組みを開始。ティラーソン国務長官は、こうした取り組みには「数年」を要するとの見通しを示してきた。5月の移転は象徴的な意味合いは大きいものの、全体的な移転作業の中では準備の一歩になるとみられる。
国務省のナウアート報道官によれば、大使館は最初、西エルサレムのアルノナ地区にある既存の米領事館の中に設置される予定で、駐イスラエル大使や少人数のスタッフのための業務スペースなどを設ける方針だという。恒久的な敷地の確保や建物の設計に向けた計画を策定する間、この施設が公式の大使館としての役割を果たす。
ナウアート氏はさらに、アルノナの敷地に来年末までに新たな付属施設を開設し、大使らの暫定的な業務スペースを拡大する方針を表明。これと並行する形で、恒久的な大使館の敷地探しも始めていると明らかにした。恒久的な大使館の設計と建設は長期的な取り組みになるとしている。
イスラエルのネタニヤフ首相は声明で今回の発表を称賛。米大使館の移転により「建国70周年記念日はいっそう盛大な国家的祝賀行事になる」だろうと述べた。
一方、パレスチナ解放機構(PLO)のエラカート事務局長は今回の動きを批判。「2国家解決を破壊する」というトランプ政権の決意を示したものだとした。