米空軍が電子レンジ技術で新兵器開発、北朝鮮に対抗も
ワシントン(CNN) 北朝鮮が米本土に到達できる核兵器の開発を進展させる中、米ニューメキシコ州にあるカートランド空軍基地の研究所で、対抗措置となり得る兵器の開発が進んでいる。
空軍研究所の広報によると、この兵器は「CHAMP」と呼ばれ、電子レンジなどに使われるマイクロ波を利用。空中発射巡航ミサイルに搭載して、爆撃機から発射する。
CHAMPを搭載した巡航ミサイルを敵地の領空に低い高度で撃ち込むと、強力な電磁波を放出し、敵の電子制御システムを妨害する。巡航ミサイルはその後、海上に着水する。
空軍によると、CHAMPは北朝鮮の脅威に対抗する狙いで開発されたわけではないという。しかし空軍の元幹部は、北朝鮮に対しても有効かもしれないと指摘する。
別の元幹部は、CHAMPを使えば敵側の人命を失うことなく攻撃を実行できる可能性があると語った。
空軍は2012年、ユタ州にある実験場でCHAMPの実験を行った。CHAMPの開発を主導するメアリー・ロビンソン氏はNBCニュースに対し、この実験では「想定通りの結果が出た」と述べ、どのシステムに障害が起きるかを「100%の精度で予想できた」と話している。
ただ、CHAMPを搭載したミサイルを発射すれば、相手には通常兵器との区別がつかず、北朝鮮が撃墜しようとするかもしれないと懸念する声もある。
CHAMPはまだ運用段階には入っておらず、いつ実戦配備されるのかについて、空軍は明らかにしなかった。ただ、もしも危機的な状況になった場合、「CHAMPは数日で配備できる」と元幹部は予想している。