トランプ氏、巨額損失で20年近く連邦所得税免除か 米紙
一方、トランプ陣営は1日夜の声明で、同氏がほかに資産税などを何億ドルも支払ってきたと反論。「ここで明らかになったのは20年以上前の納税申告書が不法に入手されたということ、そしてニューヨーク・タイムズなど既存メディアはやはりクリントン陣営や民主党の延長線上にある存在だったということだけだ」と述べた。
この声明は記事の内容を直接否定していない点や、トランプ氏が所得税を支払ったとは明言していない点が注目される。
ただ、トランプ氏の支持者はもともと連邦政府に深い不信感を抱く層が中心。同氏が連邦税を免れていた事実は批判されるどころか、称賛の対象となる可能性もある。一方で、米経済の現状に取り残されたとの不満から同氏を支持してきた人々は、税負担を巧みに免れる大実業家と自分たちの間に大きな隔たりを感じるかもしれない。また過去に巨額の損失を出したという話が、「経営者として事業を成功させた経験を基に米国を繁栄に導くリーダー」という同氏のイメージを傷付けることもあり得るだろう。
大統領選に向けた選挙戦では先週、クリントン氏とトランプ氏がテレビ討論会で初めて直接対決し、クリントン氏が勝利したとの見方が大勢を占めている。トランプ氏の納税問題は、民主党ティム・ケーン氏、共和党マイク・ペンス氏の両副大統領候補が対決する4日のテレビ討論会でも取り上げられる可能性がある。