次世代ズムウォルト級駆逐艦、一番艦を米海軍に引き渡し
(CNN) 米軍事大手ゼネラル・ダイナミクス社は20日、メーン州にあるバス・アイアンワークス造船所で、最新鋭のズムウォルト級ステルス駆逐艦の一番艦を米海軍に引き渡した。10月15日にメリーランド州ボルティモアで就役し、正式に「USSズムウォルト」となる見通し。
海軍のジェームス・カーク大佐は声明で、「ズムウォルトの乗組員はこの日のため数カ月間、欠かさず訓練を続けてきた。米海軍を代表してこの艦船の運航を担う準備はできており、興奮している」と述べた。
同艦は全長約185メートルで排水量は1万5700トン。ゼネラル・ダイナミクス社によると、レーダーに最小限しか探知されないステルス性や、内部の静粛性に優れた船体、波浪貫通型の船首を備えている。
また、78メガワットの電力を発電することも可能で、現在開発中のエネルギー指向型ビームや電磁レールガンを将来的に搭載するのに適しているという。
ズムウォルト級駆逐艦のプログラム責任者、海軍のジム・ダウニー少将は、同艦に洗練された新技術の数々が統合されている点を指摘。その最新鋭のデザインと合わせ、海軍の次世代を担う能力を持つとしている。
メーン州では、ズムウォルト級の艦船「マイケル・モンスーア」と「リンドン・B・ジョンソン」の2隻も建設中。3隻の建造費は計約225億ドル(約2兆4700億円)に上ると予想されている。
ズムウォルト級は当初、32隻を建造する予定だったが、建造されるのは3隻にとどまる見通しであることから価格が高騰。アナリストの中にはズムウォルト級の長期的な価値を疑問視する声も多く、海軍は現在、アーレイ・バーク級駆逐艦の刷新に努めている。