米国の中のムスリム その真実の姿とは
(CNN) パリで起きた同時多発テロや米カリフォルニア州サンバーナディノでの銃乱射事件を背景に、米国に在住するイスラム教徒(ムスリム)に対する風当たりが近年になく強まっている。大統領選で共和党からの指名を目指す実業家のドナルド・トランプ氏は、イスラム教徒の米国への入国を禁止すべきだとの考えを示したが、こうした考えには賛否の声があがっている。
実際のところ、米国に住んでいるイスラム教徒の実態は驚くべきものかもしれない。しかし、それは、トランプ氏やその支持者が考えるようなものとは違った意味でだ。
過去数年に行われたさまざまな世論調査や研究によれば、イスラム教徒は米国で法執行機関がテロの容疑者を見つけ出せるよう重要な役割を果たしている。テロと戦い国を守るために軍務につく者も多い。そして、多くの点で、イスラム教徒も他の米国人と変わらない。
そんな米国の中のイスラム教徒について、「真実の姿」を紹介する。
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人口比で見ればごく少数
米国の国勢調査は宗教に関する情報を収集していないため、しっかりとした数字を手に入れることは難しい。しかし、イスラム教徒が大多数を占めて、シャリア(イスラム法)を押し付けてくるということは心配しなくてもよさそうだ。いくつかの試算によれば、米国の成人の人口に占めるイスラム教徒の割合は1%未満。2050年までにこの割合は2.1%に増加するとみられている。米国のイスラム教徒の63%が移民だ。