黒人少年射殺の警官が辞職 事件後は居場所転々と身を隠す
(CNN) 米ミズーリ州ファーガソンで黒人少年を銃で撃って死亡させ、不起訴になったファーガソン警察の白人警察官、ダレン・ウィルソンさん(28)が辞職した。ウィルソンさんの弁護士が29日夜、CNNに確認した。
担当弁護士がCNNに語ったところによると、ウィルソンさんは事件の数日後、「インターネット上に住所が出回っている」との電話連絡を受け、刈りかけの芝生もそのまま、ただちに自宅を出た。殺害予告や懸賞金の情報まであったことから、弁護士らの家を転々としたり、暗い映画館で時間を過ごしたりして身を隠してきたという。
ウィルソンさんは地元紙との電話インタビューで、「自分の意思で辞職する。私のせいでだれかが傷つくような事態を許すわけにはいかない」と述べる一方、辞職は「今までで最もつらいこと」と語った。
同紙によれば、退職手当は受け取らない。事情を知る人々の話によれば、辞職に向けた交渉は数週間前から続いていた。
辞表では「私が仕事を続けることは、ファーガソンの住民や警官を危険にさらすことになる可能性があると聞いた」「警官の仕事を続けたかったが、私にとって住民と警官の安全が最も重要だ。辞職によって街が和解できるよう祈っている。支援してくださった方々や警察の同僚たちに感謝する」と述べた。辞表はただちに発効した。
ウィルソンさんは6年前にファーガソン警察に採用され、事件後は休職扱いとなっていた。大陪審が先週、不起訴を決めたことに対し、人種差別だと非難する抗議デモがファーガソンや全米各地で起きていた。
ファーガソンのデモは米感謝祭の27日までにいったん沈静化したものの、28日には警察署前で再びデモ隊と州兵が衝突。警察によると、警官1人が負傷し、参加者少なくとも16人が逮捕された。