月に米軍基地の極秘計画、核実験の構想も 1960年代の文書公開
(CNN) 米陸軍が1960年代、月に軍事基地を建設する「ホライズン計画」を提案していたことが、このほど公開された国家安全保障計画に関する機密解除文書で明らかになった。月面での核実験実施について検討した記録もあった。
当時は冷戦の最中にあって米国とソ連の間で核軍拡競争と宇宙開発競争が過熱。ソ連は1959年、米国に先駆けて初の無人宇宙船を月に送り込んでいた。
そこでソ連に対抗するために生まれたのがホライズン計画だった。提案書はまず「月面の有人軍事基地は必須である」と切り出し、「月面基地の開設でソ連に先を越されれば、我が国の体面が傷付き、ひいては民主主義の理念にも傷が付く」と主張。同計画は、原爆開発の「マンハッタン計画」に匹敵する優先課題として進める必要があると論じている。
月面基地は統合宇宙司令部が統括し、地球と月の周辺の宇宙を戦区とみなす計画だった。
月面での弾道力学なども計算され、宇宙船や月ブルドーザー、モジュール式キャビン、宇宙服の設計図や、コロニー建設の候補地を記した月の写真も添付されていた。