漫画が「予言」する大地震に不安増大、外国人客の訪日中止や延期相次ぐ

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たつき諒さんの漫画「私が見た未来 完全版」/Mai Takiguchi/CNN

たつき諒さんの漫画「私が見た未来 完全版」/Mai Takiguchi/CNN

漫画の表紙には「大災害は2011年3月」の文字があり、東北地方をマグニチュード(M)9.0の地震が襲う10年以上前に、たつきさんがこの地震を予知していたと思わせる。

復刻版の「予言」は、今年7月5日に日本とフィリピンの中間あたりの海底が破裂し、東日本大震災の3倍も高い大津波が太平洋周辺の国に押し寄せる、という内容。

たつきさんはこの作品の解釈をめぐって毎日新聞に寄せたコメントで、「皆様が高い関心をお寄せいただいていることは、防災意識が高まっている証拠であり、非常に前向きに捉えております」とした上で、「過度に振り回されないように、専門家の意見を参考に、適切に行動していただくことが大事であると思います」と言い添えた。

中国のメディアは、今年4月26日に人口が密集する東京湾岸エリアを巨大地震が襲うと主張した自称日本人霊能者の発言を集中的に伝えていた。その日は何事もなく過ぎたものの、この発言は中国のSNSで絶大な関心を呼んだ。

香港のテレビに出演する著名風水師も、4月以降は訪日を控えるよう呼びかけている。

内閣府防災担当は4月にX公式アカウントを通じて「日時と場所を特定して地震を予知することは、現在の科学的知見からは困難」と強調した。

宮城県の村井嘉浩知事も記者会見で、「かなり非科学的な根拠で、それがSNSによって広がっていって、観光面で影響が出てくるというのは由々しき問題だと思っています」と語った。

「予言」の影響

今年8月に和歌山を訪れる予定だった香港のサマンサ・タンさん(34)は、「地震が来るという人があまりにも多いから」という理由で訪日を見合わせた。

年に何度も日本を訪れているという香港のオスカー・チューさん(36)も、「やめるに越したことはない。もし本当に地震が起きたら大変なことになる」と予定を変更した。

それでも観光地としての日本の人気に変わりはない。日本には米国やカナダ、オーストラリアからも観光客が押し寄せる。

香港のビック・シンさんは、「予言」のことを聞いても予定を変更しなかった一人。予定通り6月に東京と大坂へ行くつもりだという。「地震予知が正確だったことはない」とシンさんは言い、たとえ発生したとしても「日本は過去に何度も大地震に見舞われてきた。災害対策に関してはそれほど悪くないはず」と話している。

原文タイトル:A Japanese manga claims a natural disaster is imminent. Now, some tourists are canceling their trips(抄訳)

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