倒壊寸前の斜塔、ボローニャ市が修復計画を発表 イタリア
(CNN) イタリア北部ボローニャにある斜塔「ガリセンダの塔」(高さ48メートル)が倒壊寸前の状態にあるとの懸念が強まり、有名なピサの斜塔に使ったのと同じ機材で修復する計画を市が発表した。
ガリセンダの塔は12世紀に建造され、200年後には既に傾き始めていた。現在の傾きは4度と、ピサの斜塔の3.9度をわずかに上回る。
昨年末にガリセンダの塔の周辺の道路を一時的に封鎖して専門家が構造を調べた結果、倒壊の危険が大きいと判断した。
立ち入りが禁止された塔の基部周辺/Michele Lapini/Getty Images
ボローニャのマッテオ・レポーレ市長は27日の記者会見で、かつてピサの斜塔の保全に使われた鉄塔とケーブルを、鋼鉄製の足場とともに配置してガリセンダの塔の倒壊を防ぐと発表した。
ピサの斜塔に使われた2本の鉄塔をガリセンダの塔に配置したイメージ図/Comune di Bologna
レポーレ市長は「これで塔を固定できる」と述べ、ガリセンダの塔より高い隣のアシネッリの塔もこれで一般公開を再開できると予想。「2025年と26年にさらなる固定と修復作業を行う。これからその計画を立てる必要がある」と説明した。
ピサの斜塔に使われた装備をガリセンダの塔に合わせて調整するためには半年ほどかかる見通しで、修復のための予算は総額1900万ユーロ(約30億円)と推定している。
市の発表によると、ピサの斜塔に使われた2本の鉄塔を配置し、ガリセンダの塔に合わせて調整した後、塔の石造りの補強工事に着手する。石灰を主成分とするモルタル混合物を注入した後、鉄塔と足場を結ぶケーブルを塔に取り付けて引き締め、塔の土台にかかる圧力を和らげる。