航空機の2段式シート、改良版がお目見え CNN記者が再び体験

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このデザインなら乗客数を増やすことも可能だが、ヌニェス・ビセンテ氏は、目指すのはあくまで乗客の快適さだと語る/1OFF Media

このデザインなら乗客数を増やすことも可能だが、ヌニェス・ビセンテ氏は、目指すのはあくまで乗客の快適さだと語る/1OFF Media

またヌニェス・ビセンテ氏は、実際の機内の天井の高さがどのくらいか分かるように、上段のシートの上に梁(はり)を追加した。筆者の身長は1.78メートルだが、自分には十分なスペースと感じる。ただ、実際のキャビンで床よりも天井に近い位置にいるというのが一体どのような感じなのかを想像するのは難しい。

下段のシートについては、狭い空間が苦手な私のような人間には非常に窮屈に感じるが、これはあくまで個人の見解の問題だろう。たしかに自分の目の前に1列の座席があるというのは誰にとっても魅力的ではないだろうが、中にはあまり気にならない人もいるだろう。シェーズロング・シートは足を伸ばせるスペースが通常のエコノミークラスの座席よりもはるかに大きいことを考えればなおさらだ。

昨年と同様、フライトの間ずっと寝ていたい旅行者にとっては、このシートは効果的な解決策になりうるというのが筆者の結論だ。

また上・下段のシートにそれぞれ3人ずつ座るのはやや窮屈に感じるが、ひじをのせるスペースをめぐって争いになるのは、従来のエコノミークラスと全く同じだ。

下段のシートは、使用しない時には劇場のシートのように折りたためる。そのため下段のシートはやや使い勝手がよく、車いすの乗客も収容可能だが、上段のシートについては、足が不自由な人は利用できない、とヌニェス・ビセンテ氏は言う。

空の旅の未来

このシェーズロング・シートには複数の航空会社が興味を持っているとヌニェス・ビセンテ氏は言うが、だからといってこのアイデアが実現するとは限らない。

またヌニェス・ビセンテ氏は、一般に航空会社はエコノミークラスへの投資に興味がないことも痛感している。ニュージーランド航空の新しいエコノミークラス「スカイネスト」のような例外もあるが、通常、イノベーション(技術革新)が起きるのはビジネスクラスかファーストクラスだ。

それでも、ヌニェス・ビセンテ氏は、この2段構造のシートはいずれ、どんな航空機のキャビンクラスにも適応可能になると考えている。

「結局、2段式シートを導入することにより、空間を最大限に利用できる。2段式でなければ空気しかないスペースを有効活用できるのだ」(ヌニェス・ビセンテ氏)

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