航空機の2段式シート、改良版がお目見え CNN記者が再び体験

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下段のシートでは前方のスツールに脚を伸ばすことができる/1OFF Media

下段のシートでは前方のスツールに脚を伸ばすことができる/1OFF Media

ヌニェス・ビセンテ氏は、このシェーズロング・シートがすべての人に向いている、あるいは好ましいわけではないことは承知しているが、一方で、一部の乗客には従来の座席よりも快適かもしれないと考えている。

身長が1.88メートルと長身のヌニェス・ビセンテ氏は、窮屈な機内で足元のスペースの狭さに悩まされたり、眠れないといった状況を何度も経験してきた。シェーズロング・シートを設計したのは、航空機の座席をめぐるさまざまな問題を解決するためであり、現在の状況をさらに悪化させるためではない、とヌニェス・ビセンテ氏は主張する。

しかし、航空会社にとってのシェーズロング・シートの魅力は乗客数が増えることだということはヌニェス・ビセンテ氏も認めており、それがこのシートの優先事項や目的ではないとしながらも、デザイン的に乗客数を増やすことも可能だと語る。

今年、ドイツのハンブルクで開催される航空機内装の見本市「AIX」で、多くの航空会社の幹部たちがヌニェス・ビセンテ氏の最新のプロトタイプを体験する。

ヌニェス・ビセンテ氏は、航空業界からのフィードバックをいつも楽しみにしているが、将来このシートを利用するかもしれない一般の旅行者たちの意見も熱望しているという。

今、シェーズロング・シートは仮想空間「メタバース」上で体験可能で、シートが実際にキャビンに配置されるとどのように見えるかが分かる。またユーザーは仮想空間内でシートの周りを歩き回りながら視察できる。

ただ、ヌニェス・ビセンテ氏は、あらゆる人にシェーズロング・シートのプロトタイプをじかに体験し、率直な意見を提供してほしいと考えている。

実際に座ってみた感想

AIX 2023で、CNN Travelはシェーズロング・シートの最新のプロトタイプを最初に体験した。昨年の概念実証よりもわずかに「リアルさ」が増したというのが、筆者の最初の印象だ。このプロトタイプは上段に2列、下段に2列の計4列の座席がある。1995年に使用されていた航空機の座席をアップサイクルしたものだが、実際にリクライニングが可能なため、シェーズロング・シートが実際の機内でどのように機能するかをイメージしやすい。

今回の新しいデザインは、同じ基本的な2段式のコンセプトは維持しつつ、いくつかの細かな修正を加えている。例えば、以前は不安定なはしごのような階段で上段のシートに上がっていたが、より頑丈な階段に変更された。また、下段の荷物は前の座席の下に収納できるようになった。さらに、フライト中の娯楽は、備え付けのスクリーンではなく、乗客が自分のデバイスで楽しむという考え方だ。

またヌニェス・ビセンテ氏は、上段のシートの足回りのスペースを改善したと述べており、筆者もかなり広いと感じる。さらに、同じ高さで自分の真後ろには誰もいないため、座席の背もたれをかなり後ろまで倒すことができるのは大きなメリットだ。

AIX 2022で公開された以前のバージョン/Francesca Street/CNN
AIX 2022で公開された以前のバージョン/Francesca Street/CNN

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