モンブラン山氷河に大規模崩落の恐れ、観光客避難 伊
(CNN) イタリア北部のアルプス地域の自然災害対策当局は8日までに、モンブラン山のイタリア側にある氷河の一部が崩落する恐れがあるとして観光客60人を含む約75人がバレダオスタ州のフェレ渓谷から避難したと報告した。
崩落の可能性があるのはサッカーグラウンドほどの大きさの氷河で、クールマイヨール村の村長は6日午後にはフェレ渓谷に通じる主要道路を閉鎖したという。
自然災害対策当局の責任者は7日の記者会見で、観光客らの迅速な避難が必要となっている状況にあると強調。プランパンシュー氷河の調査で50万平方メートル分の氷が氷塊から即座にはがれ落ちるような状態にあると警告した。
写真上の観測で分離につながる動きの速度はより速まっており、1日当たり1メートル以上となっているとの情報もある。
モンブラン山に位置する同氷河は2012年以降、気候変動の影響を考慮し監視対象となってきた。この氷河では氷塊と山の間に水が存在しているともいう。昨年夏には追加の調査も実施し、監視の精度を高める機器も投入されていた。
プランパンシュー氷河を監視する団体関係者によると、崩落の可能性は今年4月に改めて浮上し、ここ数週間でその恐れが強まったという。
高い場所に降雪をもたらした短期間の寒波襲来に続いて起きた7月下旬から8月初旬にかけての高温の気候が、氷河崩落が起きる可能性を高めたともした。
ただ、クールマイヨール村の村長は、同村や他のモンブラン山の山地の安全性に問題は一切なく、観光客の旅行続行は可能ともした。