世界最大規模の機内食工場、その驚愕のスケールとは
「1万2000メートルの上空では味が鈍るという迷信(とわれわれは考えている)に基づいて食事やワインを変えることはない」と付け加えた。
エミレーツ航空は、機内食の品質維持の一環として抜き取り検査を実施している。ハイマイヤー氏は「私は品質管理チームとともに毎日作業場を回り、試食を行う。予告なしで訪問するため、作業員たちはわれわれがどこで、何を試食するか知らない」と語る。
また熟練のワインの専門家でもあるハイマイヤー氏は、エミレーツの多様なワインリストの管理も担っているため、ワインの試飲も行う。
エミレーツは昨年、ワインを瓶詰されて市場に出る前に購入し、地下室に貯蔵するために、向こう10年間に5億ドルを投資すると発表した。
ハイマイヤー氏は、「ビジネスクラスやファーストクラスに乗る余裕のある乗客は、普段、ミシュランの2つ星か3つ星レストランに行っている人々だ」と指摘。ワインを大量に仕入れることで、最高品質のワインを購入し、乗客に提供できるようになるという。
現在、エミレーツは全路線で1日60種類のワインを乗客に提供している。また、年間では120種類のワインを扱い、その多くは各路線特有のものだ。
「例えば、ポルトガル行きの便ではポルトガル産のワインを提供する。南アフリカや南米でも同様だ。多くの乗客を驚かせたいので、少量のボトルで提供する場合が多い」(ハイマイヤー氏)