ギリシャ、経済危機で生まれ変わった観光産業

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「経済危機により、われわれはそれまでの考え方を改め、創造力を発揮することを迫られた。経済危機以前は多少おごりがあったかもしれない。しかし今は、最善を尽くさなければならない」(スビリアディスさん)

危機感を抱いたのはスビリアディスさんだけではない。経済危機を機に、ギリシャ全土で旅行者向けのサービスが変わり、新たな傾向が生まれた。

「経済危機は私に起きた最高の出来事」と語るのは、旅行会社オルタナティブ・アテネの創業者ティナ・キリアキスさんだ。

キリアキスさんは多国籍企業でマーケティングの仕事をしていたが、2010年に解雇され、その2年後に自分の旅行会社を立ち上げた。

キリアキスさんもスビリアディスさんと同じく、アテネのツアー商品に行き詰まりを感じていた。「観光という視点からアテネに何があるかを考えた時、非常にありふれた、ステレオタイプの『古代アテネ』しかないことに気付いた」という。

キリアキスさんは「アテネには古代都市の側面以外にも多くの見所がある」と述べ、さらに次のように続けた。

「アテネは大変複雑な都市であるため、それを理解し、評価するためには都市の奥深くまで入り込む必要がある。それこそが私の会社のコンセプトだった」

キリアキスさんの会社では一風変わった徒歩ツアーを提供しており、中でも人気なのは街の壁に掛かれたグラフィティ・アートを見て回るツアーや、アテネ郊外にある「魔法の森」を散策するガイド付きツアーなどだ。また旅行者にアテネのグルメな住民を紹介し、住民が自分たちのアパートで旅行者のための夕食会を催すサービスも提供している。現在は1日2回のツアーを主催し、1回に最大25人の参加者を募集するという。

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