オンライン学術誌、20年で176誌がネットから消失 新研究

ネット公開されていた学術誌176誌が、20年間でオフラインになったことが分かった/Pressmaster/Shutterstock

ネット公開されていた学術誌176誌が、20年間でオフラインになったことが分かった/Pressmaster/Shutterstock

(CNN) オンラインで自由に閲覧できる学術誌について、2000年から2019年にかけ176誌がネット上から消失していたことが新たな研究で判明した。多くの学術研究へのアクセス機会が失われている現状に、研究者から懸念の声が上がっている。

消失していたのは47カ国から発行されている176誌。このほか「実質稼働していない」約900誌も、将来消失する恐れがあるという。

学術研究の記録がネット上で十分に保存されていない問題はかねて指摘されていたが、具体的な誌名やその数を明らかにした研究が公表されたのは初めてだと、論文共著者でフィンランド・ハンケン経済大学のミカエル・ラークソ准教授は述べた。

研究ではこれらの学術誌が消失した理由や、各誌の質の分析は行っていない。ただ全体の5割以上は大学との提携で発行されていることが分かっている。

扱う分野に関しては5割以上を社会科学と人文科学が占める一方、健康、物理科学、数学、生命科学の研究でも消失が確認できる。

それぞれの学術誌に掲載された研究論文にはどれも膨大な時間と多くの人の労力がつぎ込まれているが、記録が消失してしまえばそうした価値は失われ、世の中に影響を与える機会も断たれるとラークソ氏は指摘。PDFファイルのためのバックアップを取っていなかったといった些細(ささい)な理由でそうした事態が生じるのは受け入れがたいとの認識を示した。

オープンアクセス学術誌の全体から見れば、消失した雑誌の占める割合は少ない水準にとどまっているものの、研究者らは「開店休業」状態にある900誌についても、今後消失するリスクがあると警鐘を鳴らす。実際に消失した学術誌の4分の3以上は、最後の刊行から5年以内にオフラインになったという。

学術誌がオンラインで利用できなくなるのには多くの理由がある。技術の進展にウェブページが対応できなくなったり、ウェブ掲載に必要な料金の支払いが行われなかったりと、その内容は様々だ。

世界中のデジタル情報を収集し「インターネットのための図書館」になることを目標に掲げる非営利法人、インターネットアーカイブの共同創設者、ブリュースター・ケール氏は、CNNの取材に対し「ウェブページの平均寿命は100日で、それを過ぎると更新もしくは削除される」「ウェブとは、絶え間なく入れ替わる砂粒の集合体だ」と説明した。

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