ファーウェイ幹部逮捕、「米中貿易戦争の拡大」と専門家

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香港(CNN Business) 中国の通信機器大手ファーウェイ(華為技術)の孟晩舟・最高財務責任者(CFO)が米国政府の要請に基づいてカナダで逮捕された事件は中国政府を怒らせ、投資家らに警戒感を抱かせた。さらには米中首脳が数日前に同意にこぎつけた貿易戦争の「一時停戦」に対しても、改めて疑念を呼び起こす結果となっている。

ベトナム・ホーチミン市のフルブライト大学ベトナム校に在籍する中国問題の専門家、クリストファー・ボールディング氏は、今回の逮捕について「貿易戦争の著しい拡大とみなければならない」と指摘。米中首脳の合意と同じ日に孟CFOが逮捕されるという事態を受け「習近平(シーチンピン)国家主席の政治的な面目は丸つぶれになった」と強調した。

米国とカナダの両政府は、孟CFOの具体的な容疑を明らかにしていないが、今年に入って、米司法省が対イラン制裁違反の疑いでファーウェイを捜査しているとの報道が流れていた。

コンサルティング会社ユーラシア・グループの政治リスク担当アナリストは「オバマ前政権下でも米国は中国の個人を同様の罪状で起訴していたが、第三国での逮捕という思い切った手段を行使することには及び腰だった。中国政府による報復を危惧していたためだ」と分析する。

そのうえで「この種の措置は、交渉を取り巻く雰囲気に影響を及ぼすだろう。持続的な解決への道が遠のくことになる」と述べた。

中国商務省は6日、米国との通商協議について、トランプ大統領が目標に掲げた90日以内での合意達成は依然として可能だとの見方を示した。ただ外務省が米国、カナダ両政府に対して「直ちに不正行為を改め」、孟CFOの「個人的自由」を回復するよう求めるなど、中国政府が今回の逮捕に怒りを感じていることは明白だ。

今後の米中両政府の出方に注目が集まるなか、アナリストらからは中国側による報復の可能性を指摘する声やトランプ政権が次の一手の準備に動いているといった見方が浮上している。

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