ハリポタ作者のローリング氏、プーチン氏に抗議のツイート キャンセルカルチャー批判で引き合いに出され

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保守的価値観の見解でプーチン氏(右)から名前を出されたローリング氏がSNSで抗議/Getty Images

保守的価値観の見解でプーチン氏(右)から名前を出されたローリング氏がSNSで抗議/Getty Images

(CNN) 大ヒット小説「ハリー・ポッター」シリーズの原作者J・K・ローリング氏が25日、自身のツイッターにロシアのプーチン大統領への批判とみられる内容のメッセージを投稿した。プーチン氏がロシアに対する西側諸国の扱いに言及する際、トランスジェンダーにまつわる発言で世間からの非難を浴びたローリング氏を引き合いに出したのを受け、抗議の意思を示した形だ。

ローリング氏はツイッターで「西側のキャンセルカルチャーを批評する上で、今現在市民の大量殺戮(さつりく)を行っている人物の意見は恐らくあまり参考にならない。市民の抵抗を犯罪とし、自身を批判する人々を投獄したり彼らに毒を盛ったりする人物に、そこまで素晴らしい批評はできないだろう」と述べた。

またロシアの反政権派指導者で現在投獄中のアレクセイ・ナバリヌイ氏に関する昨年の英BBCのニュース記事のリンクを張り付け、ロシアによるウクライナ侵攻も糾弾した。

ローリング氏のツイッターのフォロワーは1390万人。ツイートのハッシュタグには #IStandWithUkraine (私はウクライナを支持する)とある。

プーチン氏は25日、テレビ放送された文化人とのビデオ会議で、西側諸国がロシアを「キャンセル」しようとしていると指摘。自国に対する扱いを、過去にローリング氏が世間から受けた反発になぞらえた。

ローリング氏は以前、トランスジェンダー嫌悪とも受け取られかねないツイートをしたとして非難の的になったことがある。保守的な文化的価値観にとっての旗手を自任するプーチン氏は、かねてトランスジェンダーなどの権利に対する厳しい非難を口にしてきた。

会議の中でプーチン氏は、「J・K・ローリング氏は最近キャンセルされた。いわゆるジェンダーの自由を支持する人たちの不評を買ったためだ」「現在、彼らは1000年の歴史を持つ国のすべてをキャンセルしようとしている。我々国民もろともだ。今話しているように、ロシアに関するあらゆるものへの差別が一段と激しくなっている。こうした傾向が、西側の多くの国々で広がっている」と語った。

また「チャイコフスキー、ショスタコービチ、ラフマニノフがポスターから締め出された。ロシアの作家と彼らの作品が発禁処分になった」と、証拠を一切提示せず述べた。「これほど大規模な運動によって気に入らない文学を破壊するのは、ナチス政権下のドイツ以来だ。ほぼ90年前にさかのぼる」(プーチン氏)

ローリング氏は先ごろ、自身の運営する子ども向けのチャリティー団体「ルーモス」について、2013年からウクライナ政府と連携していることを明らかにした。今回のロシアによる侵攻の翌日には募金を呼びかけ、「ウクライナの孤児院で戦闘が起き、数千人の子どもたちが身動きの取れない状況にある」として支援を求めていた。

25日のツイートにも、緊急の寄付に関する告知分が添えられていた。

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