アフガンで失明したパラ金メダリスト、問い続ける「対テロ戦争」の意味

アフガンで失明、元米兵のパラ金メダリストに聞く

東京(CNN) アフガニスタンで爆発に巻き込まれて失明した元米軍兵が、東京パラリンピックで歴史的な金メダルを獲得した。米軍がアフガニスタンから撤退した今、20年に及んだ「対テロ戦争」に価値があったのかどうか、自らに問い続けている。

ブラッド・スナイダーさん(37)は、28日に行われたトライアスロンの男子個人(視覚障害)で金メダルを獲得した。オリンピックとパラリンピックを通じ、男子個人トライアスロンで米国が金メダルを獲得したのは初めて。ガイドを務めるグレッグ・ビリントンさんとともに、1時間1分16秒でゴールした。

水泳で何度もメダルを獲得していたスナイダーさんは、3年前にトライアスロンに転向したばかり。パラリンピックの金メダルはこれで6個目だった。

かつて米海軍精鋭の爆弾処理班に7年間所属し、イラクとアフガニスタンに派遣された。しかし2011年9月、アフガニスタンで任務中に簡易爆発装置(IED)を踏み、視力を失った。

爆発が起きた直後は、自分がまだ生きていることが信じられなかったと振り返る。「幸いなことに、けがをしたときは私1人だったので、被害は私だけで済んだ。爆発は私から少し離れた所で起きたので命が助かり、手足も助かった」

米軍が撤退したアフガニスタンは再びイスラム主義勢力タリバンの支配下に置かれ、混乱が続いている。

タリバン復権のニュースを見て悲しみでいっぱいになったというスナイダーさん。それでも米軍が永久にアフガニスタンに駐留できないことは分かっていると言い添えた。

「過去20年間の過ちを考えれば、未来への投資は正当化できない」「私たちは20年間、暴力を抑え込んできたが、安定は訪れなかった」

米軍がアフガニスタンとイラクで20年にわたって展開してきた「対テロ戦争」について、代償に見合う価値があったのかどうか確信できないとスナイダーさんは言う。「そのことにさいなまれて夜中に何度も目が覚める。特に、アフガニスタンへ行くことで人生が根本から変わってしまった人間として」

スナイダーさんは今、アフガニスタンでの戦争にその価値があったのかどうかという疑問に「筋道を通す」ため、プリンストン大学の博士課程で公共政策を専攻している。いずれは米海軍兵学校に戻り、米軍の未来を担う次世代のリーダーを育成して「明日の戦い」に備えさせたいと抱負を語った。

自身の犠牲はアフガニスタン人のためではなく、自由という概念や人権のためだと考えているという。

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