反プーチンのバンドメンバー、毒を盛られた疑い ドイツで治療
モスクワ(CNN) ロシアのプーチン政権批判で知られるパンクバンド「プッシー・ライオット」の男性メンバーが、治療を受けるためドイツのベルリンに到着した。同グループは、モスクワでこのメンバーに対して毒物が使われた疑いがあると主張している。
渡航を手配したドイツの非営利団体「シネマ・フォー・ピース財団」によると、プッシー・ライオットのメンバー、ピョートル・ベルジロフさんは、15日にベルリンに到着した。ベルジロフさんは同バンドの有名メンバー、ナジェージダ・トロコンニコワさんの夫でもある。
それまではモスクワの病院で集中治療室に入院していたが、父と妻の強い希望で、毒物が使われたかどうかを判断して、最善の治療を受けさせるため、ベルリンに移送されたという。
「ナディア」の名で活動する妻のトロコンニコワさんはツイッターへの15日の投稿で、ベルリンのブランデンブルク国際空港にもうすぐ到着すると伝えた。機内にいるベルジロフさんと思われる動画も掲載している。
プッシー・ライオットは13日のツイッターで、ベルジロフさんの生命が危険にさらされていると伝え、「毒を盛られたと思われる」と訴えていた。
家族がドイツの新聞に語った話としてロイター通信が伝えたところによると、ベルジロフさんは目が見えなくなり、話すことや歩くこともできなくなった。ただ、別のバンドメンバーはロイター通信の取材に対し、今は快方に向かっていると説明した。
ベルジロフさんは、今年7月に行われたサッカー・ワールドカップ(W杯)ロシア大会の決勝で、警官の制服姿でピッチに乱入したメンバー4人のうちの1人だった。
シネマ・フォー・ピース財団は16日に発表した声明で、W杯乱入に対する報復として、ベルジロフさんが襲撃されたとの見方を示している。