地球は太陽から最も遠くにあるのに、こんな暑いのはなぜ?
地軸の傾きの影響はどれほど大きいのか。いくつか具体例を見てみよう。
北緯30度付近に位置するヒューストンやニューオーリンズ、フェニックスのような都市では夏の間、地球大気に届く太陽エネルギーの量は冬の2倍以上になる。
さらに北へ行くと、北緯40度付近では季節差が一層顕著になる。ニューヨークやデンバー、コロンビアといった都市では、1平方メートルあたりの太陽エネルギーが冬の約145ワットから、夏は430ワットへと増加する。これは3倍に近い。
従って、確かに現在の地球が受け取る太陽エネルギーは少なくなっているものの、この差は地軸の傾きの影響に比べれば取るに足りない。地球の自転軸のわずかな傾きは、数百万キロに上る距離の差よりも、はるかに大きく季節のパターンを形成しているのだ。
結論としては、夏が夏らしく感じられるのは、太陽へどれだけ近いかではなく、太陽に対してどれだけ傾いているかが大きい。