シリアで大規模な山火事、新政権にとっての試練に 国際社会に支援要請
(CNN) シリア・ラタキア県のジャバル・トルクマン山地で3日から大規模な森林火災が発生し、数千ヘクタールの森林が焼失した。
ラタキア県の当局者によれば、強風や険しい地形、長年の内戦で残された地雷の危険が消火活動を難しくしている。
内戦と経済制裁で疲弊したシリアでは、新政権が復興を目指しているものの、多くの地域で基礎的な公共サービスが機能していない。

消火にあたる消防隊=5日、シリア・ラタキア県/alliance/dpa/AP
火の手は長さ20キロメートルにわたって広がり、道路を寸断。数千人が自宅からの避難を余儀なくされ、一部地域では停電も起きている。
ドローンの映像には、険しい地形を横切る幅広い火の帯が見え、枯れ切った森林に炎が触れるたびに激しく燃え上がっている。
当局者は5日、CNNに対し「この火災は極めて手強い」と述べ、全国に増援を要請したと明らかにした。
消火隊は60隊以上が投入されているが、火勢はタルトゥス県の一部にも延焼している。
シリア当局は国際社会に支援を要請。トルコはヘリコプター2機と消防車11台を派遣した。6日にはヨルダンの民防隊が国境を越えて消火活動に合流した。

上空に立ち上る煙/Omar Haj Kadour/AFP/Getty Images
米航空宇宙局(NASA)の衛星データによると、焼失面積は180平方キロメートルを超え、首都ダマスカスより広いという。
シリア政府の2023年の統計では、国内の森林面積は約5270平方キロ。今回の火災で、わずか3日間で国内森林の3%超が失われた計算になる。