死んだブタの細胞機能回復に成功、移植用の臓器保存に期待 死の概念揺るがす 米イエール大

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肝臓(上)と腎臓(下)の細胞を示す画像。OrganEx治療後(右)は組織の回復がみられる/Sestan Laboratory/Yale School of Medicine

肝臓(上)と腎臓(下)の細胞を示す画像。OrganEx治療後(右)は組織の回復がみられる/Sestan Laboratory/Yale School of Medicine

一方で研究チームは、決してブタを生き返らせたわけではないと断言し、臓器を移植に利用できるかどうか判断するためにはさらなる研究が必要だと強調した。

オランダのフローニンゲン大学医療センターのロベルト・ポルテ氏は今回の論文に沿えた記事の中で、この研究は心臓発作や脳卒中を起こした患者の新しい治療法につながる可能性もあると指摘した。

その可能性についてレイサム氏は「ずっと先のことになると思う」と述べ、短期的には移植用の臓器の保存に使う方が有望だと話している。

研究には100頭あまりのブタを使用し、麻酔をかけた状態で心臓発作を誘発させた。

今回の研究は、死のプロセスについて理解を深める役にも立つかもしれない。

「心臓の鼓動が止まると数分で、血流が不足する局所貧血によって連鎖的な生化学反応が引き起こされ、細胞が生きるために必要とする酸素と栄養素が止まる。すると細胞の破壊が始まる」

セスタン教授はそう解説し、「細胞の恒久的な集団機能不全に向けた進行は、回避できないほど急速に起きるわけではなく、修復できる可能性もあることが、我々の研究で示された」と語った。

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