月面衝突が予想される物体、米ではなく中国ロケットの残骸だった NASA発表

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ロケットの残骸は、米東部標準時3月4日午前7時26分に月面に衝突する見通し/Laurent Emmanuel/AFP/Getty Images

ロケットの残骸は、米東部標準時3月4日午前7時26分に月面に衝突する見通し/Laurent Emmanuel/AFP/Getty Images

NASAは14日、月面衝突が予想されるのは嫦娥5号のT1ブースターと思われると発表。ジェット推進研究所でこの物体の16~17年にかけての軌道を分析した結果、衝突が予想される物体はファルコン9の残骸ではないことが分かったとしている。

一方、グレイ氏が自身のデータを検証して出した結論は、NASAとは異なる。同氏は、この物体は中国が14年の月探査機打ち上げに使ったロケット「長征3C」の第3段だとしている。

ロケットの残骸は米東部標準時3月4日午前7時26分に月面に衝突する見通し。ただし衝突地点は月の裏側にあり、地球からは観測できない。ロケットは墜落の衝撃でバラバラになり、全長約10~20メートルのクレーターができると予想されている。

米ハーバード・スミソニアン天体物理学センターのジョナサン・マクダウェル氏は、深宇宙軌道の宇宙ゴミを突き止めることは「決して簡単ではない」と言う。それでも同氏は「少なくとも80%、恐らくは90%の確率」で、グレイ氏が新たに打ち出した説の方が正しそうだと話している。

その上でマクダウェル氏は、NASAなどの公的機関が個人や学者に頼ることなく深宇宙の観測を強化する必要があることが、今回のロケット残骸をめぐる混乱で浮き彫りになったと指摘した。

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