小惑星に衝突させる宇宙船11月に打ち上げ、軌道変更実験実施へ NASA

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衝突前のDART実験機とイタリア宇宙局のLICIACubeのイメージ/Steve Gribben/Johns Hopkins APL/NASA

衝突前のDART実験機とイタリア宇宙局のLICIACubeのイメージ/Steve Gribben/Johns Hopkins APL/NASA

(CNN) 米航空宇宙局(NASA)は、地球に接近する小惑星の軌道を変えさせる「DART」計画の実験機を、11月23日に米カリフォルニア州のバンデンバーグ宇宙軍基地から打ち上げると発表した。2022年に小惑星に衝突させ、軌道の変化を見極める。

DART実験機は米宇宙開発企業スペースXの宇宙船「ファルコン9」に乗せて現地時間の11月23日午後10時20分に打ち上げ、22年9月に小惑星軌道変更の実証実験を実施する。

ターゲットとするのは、地球近傍天体「ディディモス」の軌道を周回する衛星「ディモーフォス」。NASAが地球防衛の目的で実施する初の本格的な実証実験となる。

地球近傍天体は、地球から約4800万キロ以内の軌道を通過する小惑星や彗星(すいせい)で、地球に衝突すれば壊滅的な被害をもたらす恐れがあることから、NASAなどが探査に力を入れている。

ディモーフォスは直径160メートル。当初は「ディディモスb」と呼ばれていたが、DART計画にかかわるギリシャのアリストテレス大学の研究者の提案で、「2つの形態」を意味するディモーフォスに名称が変更された。DART計画を通じて「軌道の形態が人類によって大幅に変えられる初の天体」の意味が込められている。

ディディモスとディモーフォスは22年9月、地球から約1100万キロに接近する。NASAはこのタイミングをとらえてDARTをディモーフォスに衝突させ、ディモーフォスの動きを変えさせる。衝突の様子はイタリア宇宙局が提供する超小型人工衛星キューブサットで記録する。同衛星はDARTと一緒に打ち上げられ、衝突前に展開される。

NASA本部DART計画の科学者トム・スタトラー氏によると、ディモーフォスの軌道周期がDARTの衝突前と衝突後でどの程度変化したかは、地球上の望遠鏡を使って観測する。

この衝突の数年後、欧州宇宙機関(ESA)がヘラ宇宙船を使ってディディモスとディモーフォスを調査する。

DART計画はNASA惑星防衛調整局のために開発され、米ジョンズ・ホプキンス大学応用物理学研究所が運営しているが、AIDAと呼ばれる国際協力に基づきヘラ計画と連携する。

今回の計画でディモーフォスが選ばれたのは、その大きさが地球を脅かす恐れのある小惑星に匹敵することによる。

DARTは搭載のカメラと自律式ナビゲーションソフトウェアを使ってディモーフォスを検出し、時速約2万4000キロの速度で動くディモーフォスに衝突する。

最初の衝突によってディモーフォスがディディモスの軌道を周回する速度は1%しか変化しない。だがディモーフォスの軌道周期は数分変化する。この変化は地上の望遠鏡で観測できる。ESAによると、人類が太陽系の天体の力学を測定可能な形で変化させるのは、これが初めてになる。

衝突の3年後には、ヘラ宇宙船をディモーフォスに到達させ、物理的特性の測定やDART衝突の影響調査、軌道の調査を実施する。

DARTとヘラを通じて収集したデータは惑星防衛戦略に貢献する見通しで、地球に衝突する恐れがある地球近傍天体の軌道を変えさせるために必要とされる威力の解明に役立てる。

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