「奇妙」が支配する世界、海のトワイライトゾーンの謎に迫る

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海のトワイライトゾーンを探査するため開発された自律ロボット「メソボット」/Evan Kovacs/Woods Hole Oceanographic Institution

海のトワイライトゾーンを探査するため開発された自律ロボット「メソボット」/Evan Kovacs/Woods Hole Oceanographic Institution

チャンスを逃すな

WHOIは、商業漁業がトワイライトゾーンの炭素ポンプのバランスを崩し、その影響が気候にも波及すると見ている。また、この件に関するより正確なデータの経済的価値は数千億ドルに上り、社会がより良い決定を下すのに役立つ、とWHOIは指摘する。これは、さらなる研究を強力に後押しする見解だ。

ソシク氏は「かつて人間は、海で生物資源を発見し、それらを乱用してきた」とし、「そして今になって、より多くの情報を収集し、より慎重な方法を取るべきだったと気付いた。しかしトワイライトゾーンに関しては、まだそのチャンスがある」と付け加えた。

幸い、トワイライトゾーンの大半は国の管轄外にあるため、それを適切に管理する国際的取り組みがなされている。

国連は、JETZON(トワイライトゾーン海洋ネットワークの共同探査)と呼ばれるコンソーシアムが行っている、研究の調整、技術や調査結果の共有、政策立案者への情報提供の取り組みを支援している。英国の国立海洋学センター(NOC)が主導するこのコンソーシアムは、WHOIのほか、欧州連合と他の5カ国の組織が行っているプロジェクトをまとめ、トワイライトゾーン全体でどのくらいの量のマリンスノーが降っているのか、生物の多様性が生物炭素ポンプにどう影響しているのか、などの疑問の解明に取り組んでいる。

「我々は、基礎科学と好奇心に突き動かされた科学とを結集する素晴らしい機会に恵まれている。それにより大きな課題の解決策を生み出す取り組みが可能となる。人間が直面するこうした課題は、地球と海洋生態系とのかかわりにおいて生じたものだ」(ソシク氏)

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