外来種のガやアリ、「ジプシー」の名称取りやめ 米昆虫学会

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卵を産み付ける雌の「リマントリア・ディスパー」/Bob Child/AP

卵を産み付ける雌の「リマントリア・ディスパー」/Bob Child/AP

(CNN) 北米の森林を脅かす害虫として知られる外来種のガの仲間、マイマイガについて、米昆虫学会はこのほど、英語で「ジプシー・モス」と呼ばれてきた一般名の使用中止を決めた。

差別用語に当たる「ジプシー」の使用中止に向けた取り組みは、同学会が昨年から開始。先月の理事会で、昆虫の一般名の一覧から「ジプシー・モス」「ジプシー・アント」を削除することを決議した。

新しい一般名はボランティア団体と相談して決める予定。それまでの間はそれぞれ、学名の「リマントリア・ディスパー」「アフィノガスター・アレニオイド」を使用する。

昆虫学会のミシェル・スミス代表は、「私たちが使っている名称が人に除外感や疎外感を感じさせたり、何らかの形でその原因となったりしているのであれば、それを使い続ける理由はない」とコメントした。

米ラトガーズ大学で女性・ジェンダー・セクシュアリティー研究を率いるロマの学者ブルックス氏は、名称変更を画期的と評価、「私たちは世界中に1200万人以上いて、私たちには歴史があり、私たちは人間だと反論できるようになるための1歩前進」と位置付ける。

米農務省によると、リマントリア・ディスパーは1869年に欧州から米国に持ち込まれた。この幼虫が発生すると樹木が病気にかかりやすくなる。「ジプシー・モス」の名称は何十年も前から使われているという。

アリの仲間のアフィノガスター・アレニオイドについては、カリフォルニア州立大学のテリー・マクグリン教授がジプシー・アントと命名。同教授はCNNの取材に対し、この名称を付けたことを悔いていると話していた。

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